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「正気にては大業ならず」という格言があるくらいだしな。
個人的にはかなり面白かったクエスト。
神の領域ともいえる「死」の体験を売り物にしていいのか、許されることなのか。
BDというSF小道具と生命倫理をかけあわせ、善悪を問いかける内容となっている。
ちなみに、クリア前と後でBDの広告画像が変わる。ジギーQの番組にはレイチェルが出演しており、例のごとくギリギリな質問を投げかけられているし、ラジオではスタンリーに死刑囚が主演のBDが発売予定だとか…みたいなことを語られていたりもする。
なお、BDを実際に見ることはできない。Vもガッツリ映っているはずだが、見た目はどう処理されたのだろうか…。
4THウォールスタジオに入る道中ではスタジオの関係者らしき女性二人が話しているがその内容は……
一方がもう一方が不正に撮影機材を持ち出したことを糾弾する更にはその機材を使って裏BDを撮っていたことが発覚、子供を切り刻む内容とのこと、さらに一方はそのことを通報するでもなく隠匿してほしければ金を払えと命令。
ヒス女といい、芸能界も腐ってんなあと思った。ナイトシティではよくある話かもしれないが。
磔になったヨシュアをジョニーは姿勢を正し、手を前に組み、何も言わず、ヨシュアが息絶えるまでもの悲しげな表情で見つめ、そしてヨシュアが息絶えると沈痛な顔でVをチラッと見る。
同じ“反逆者”として彼なりにリスペクトを送っていたのかもしれない
撮影前にヨシュアに否定的な言動を選択しているとレイチェルがBD撮影後にメッセージを送ってくる
曰く「あんたのせいでヨシュアが迷いを覚えてBDが台無しになった」と
だからこのBDの肝は死そのものではなく世界のために迷いなく死ぬことのできる男の精神性の体験にあったのだろう
ヨシュアが神の子の気持ちを人々が体験できれば人類が救われると本気で考え実行したのだとしたら、ジョニーの言うように作中屈指の反逆者かもしれない
このジョブだけアドベンチャーゲーム的な極めて異質な空気を見せて、磔にされたヨシュアとその側で神妙になるジョニーが一枚の宗教画のような印象を与えてた。
命がヘリウム並に軽いこの街でヨシュアのメッセージが伝わるかはわからないが
ジョニーが言うように自分の死に様を示しBDに収める事で命を軽く見る者たちに対する叛逆を行ったのだろう。
自分だけかもしれないけどこのミッションが終わった時、ヨシュアの周りにいるスタッフが膝をついて祈ったり、悲痛な顔をして目を怠けたり、ジョニーの様に黙祷をする様なモーションを取っていた。
無論ここまでもがBD用の演技だと言われたらそれまでなんだけども。ヨシュアの最期は鉛玉や追い剥ぎとはまた違う死生観をナイトシティに良い方向にもたらしてくれるのを祈るばかりである。
ヨシュアが狙っているのはBDが感情をも記録するということ
例えばポルノの場合、視聴者に快楽を与えるためには俳優が本当に快楽を感じる必要がある。XBDの場合も本当に苦痛・恐怖を記録するためには対象が殺されたりレ〇プされる必要がある
ヨシュアも自分の宗教的な恍惚・法悦の状態や苦痛・苦難、敬虔さ、犠牲をみんなに感じさせ改心させることを狙っている。その感情を経験する視聴者にその効果は確実に現れるはず
なんてもんをプレーヤーにやらせるんだこのゲームは!夢に出てきたぞちくしょう!
ジョブクリア後に振り返ってみると、自分の目的の為にメディアを抱き込みNCPDまでも制御下に置いて、迷ったりVに頼ったりしながらも目的を達成。しかも、その目的が死が確定した自分の命を世界の為に使う事ってんだから、ヨシュアという男がどれだけナイトシティで逸脱した傑物かがよくわかる。ジョニーの「あのなV。真の反逆者ってのは俺みたいなのじゃなくて、ああいう奴を言うんだ。」という言葉がよく理解できるジョブ。
せっかくだからギャングと一緒に記念撮影しようと思ってわざわざ担いで参上したのに、ヨシュアに話しかけたら消えちゃった…
ちなみにギャング担いでウロウロしてても、普段ならすぐ敵対してくるNCPDもスルーしてくれる。ドローンくんだけは警戒するものの敵対まではしない
と、これだけだとあまりにもなので真面目よりなネタも
現代の感覚では処刑を娯楽化する事に抵抗があるが、人類史を紐解けば、処刑は大衆にとって普通に娯楽だった。そういう意味では、ナイトシティが異常というひと言では片付けられないかもしれない。もちろん、感覚や感情まで共有できるのはBDならではだが。
また、興味がある人はイエスの受けた磔の刑も調べてみると良い。ゲーム的には比較的あっさりとしたものだが、本来の磔の刑はそんな生優しいものではなく、死に至るまで何日もかかり一説には苦しみの多い処刑方とされていたりする。
クエスト名はスティービーワンダーの曲からの引用だと思われる。「自己実現の旅にこれらの人々がついてくることはない、真の自分は彼らの影響から脱却し、彼らの否定性から立ち上がる強さを見つけることができる」という内容。ぜひ一度聞いてほしい。
DAZED AND CONFUSED/幻惑されてで、リナからどこかで見たと思ったらあの釘打ちつけてた人!みたいなこと言われるんで、バッチリ映ってるみたい
BGMも相まってかなり神秘的で異質な雰囲気を楽しめる
釘打ちつけるとこ痛そうで手汗が吹き出ちゃったね
前のジョブで断ったのに発生しない…
これ以前のクエストで散々神を否定するような台詞を選択しておいてこの楽屋で共に祈る事を選び暗唱すると、ある種心を揺り動かされるロールプレイが出来る。
無神論者であるVがヨシュアの為に形だけでも祈ったのか、それともかつては信仰心を持った敬虔な信徒だったのか、はたまた本心では実は神の存在を信じているのか……等々
解釈はプレイヤー次第
楽屋で共に祈る際の選択肢はそれぞれ
・主への祈り(ヨシュアが信奉するキリスト教の祈り)
・アミダーの祈り(ユダヤ教の祈り)
・リグヴェーダ賛歌(古代インドのバラモン教の祈り)
・自分なりに祈る(祈りを知らなかったのか、それとも自分の気持ちを表したかったのか、Vなりのオリジナルの祈り。とても短い)
と選べる。
一番上以外はVのみが祈るが、一番上を選んだ場合はVに続いてヨシュアも祈りを口にする。
個人的にこの時の女Vの祈りがまるでシスターのようにとても穏やかで、死を目前に恐怖するヨシュアを少しでも安心させてやる事が出来たんじゃないかと感じる。
撮影が行われる撮影所前の駐車場に止まる一台の車の傍に女性が二人いて何やら口論しているが
聞き耳を立ててみるとどうやら二人ともBD制作に携わっているらしく、片方の女性が昨夜撮影所の機材を勝手に持ち出したうえ”生きている子供を切り刻む”という惨たらしい裏BDを商売目的に撮っていた事が判明する。
しかし片割れはその事を非難するどころか冷静に「あのBDは全然上手く撮れてなかったわ」とダメ出しした挙句、警察に突き出すどころか金を出せば見逃してもいいというような流れで終わってしまう。
別作品だが逆シャアのアムロとシャアを思い出した。
腐敗した人々に失望して遂に全て粛正する事を選んだシャアと
粛正などしなくても人々に希望の光を見せればきっと己の過ちを正し、前に進む事が出来るだろうと考えたアムロ。
後者のアムロがヨシュアなら
ナイトシティに住む人々はもう手遅れでどうにも出来ないだろうと考える一部のV(プレイヤー)が前者であるシャアに当たると言える気がする。
いずれにせよサイバーパンクも逆シャアも色々と考えさせてくれるよく出来た作品である。
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サイドジョブの一つ。
Vは死刑囚と彼を護衛する人物たちに出会う。彼らはある前代未聞のBDを作ろうと目論んでいた。
登場人物は
ヨシュア
レイチェル
バスケス