コメント20件
毒蛇に噛まれて苦しむ名も知らぬおじさんを助けたり、トンチキ科学者の発明に付き合って雑用を手伝ったり、仲間とド派手な列車強盗したり、敵に回った奴らはためらわず撃つ…。「実は良い人じゃん!」と好きになる人もいれば「いや、人殺しもするし普通に悪人でしょ…」と苦手になった人もいるであろう、なんとも絶妙なキャラクター。
個人的に、良い・悪いと一言でジャッジできないグラデーションのようなアーサーのキャラクター性は、RDR2というゲームを体現していると思う。
冷静沈着で銃の腕前もピカイチ、ローズで罠にかけられた際もいち早く周囲の異変に気付くなど勘もいい
必然的に仕事の際は彼がリーダーになることが多く、メンバーもよく彼に判断を仰ぐ為にプレイヤー自身の判断で襲撃の方法が変わったりする
ダッチギャングの父がダッチならホセアは母、そしてアーサーが皆の兄貴分と言った印象。
無骨さと優しさと、何よりも強さを兼ね備えているアーサーは、
荒事では誰よりも働き、困りごとがあれば解決し、メンバーの面倒を見、時には叱りつける。
そんな彼に仲間達は口うるさく感じる者もいるがおおむね頼りにして慕われているようである。
…考えることをダッチとホセアに任せてその分自分は誰よりも働く、と言う役割を買って出ている節が感じられる。
義理人情には篤いが、やはりギャングの一員だけあり冷酷な面も持ち合わせており、時には非道も迷いなく行う。
しかしそんなダッチにも転機が訪れる。
レオポルドの依頼で取り立てに行った債務者が実は結核に罹患しており、債務者に暴行したモーガンは彼の結核に感染する。
病に蝕まれ余命が短いことを悟ったモーガンは自身のこれまでの行いを見つめなおし、次第に罪悪感と後悔に苦しむこととなる。
病に苦しみ、罪の意識に苛まれ、やつれていくモーガンの弱弱しい姿にショックを受けたプレイヤーも多いだろう。
これまでダッチギャングの為に存在していたモーガンが、贖罪の為とは言え他者の為に行動するモーガンに変わっていく様は、モーガンの本来の善良さが描かれると同時にダッチギャングの終焉を感じさせる。
物語終盤に走馬灯のように流れるのはギャングとしての過去ではなく、自らの意思で助けた人々の感謝の言葉であった。
ダッチと彼のギャングの為に尽くしたモーガンだが、ダッチギャングの中で誰よりも真っ当な人生を望んでいたのは他でもないモーガンだったのかもしれない。
ギャングとしての在り方に誇りを持つ反面、そんな自分の行いに対する良心の呵責に苛まれる複雑で繊細な人間性の持ち主。
関わりの浅い者が見ると不機嫌な無法者にしか見えないが一度親しくなるとぶっきらぼうながらも優しさを垣間見せる事もあり困っていると愚痴を言いながらも助けてくれる頼れるガンスリンガー
アメリカ北部出身でベアトリスと言う母とライル・モーガンと言う小悪党との間に生を受ける。母はとても心優しい女性だったがアーサーによれば覚えているのはその程度のもので母の死後、父親から虐待を受けて育つ。そして目の前で父親の死を目撃する。奇しくも父ライルの死も結核だった。家族から受継いだのはモーガンと言う父親からの姓、そして母親の写真、そして父親のスクラップ記事から切り取った写真。そして父親の帽子。こうして孤児になりダッチ達に拾われた。
その後、町で出会った給仕のイライザと言う歳下の娘と恋に落ちアイザックと言う息子を設ける。「あなたは自由なままで良い」と言う言葉を額面通りに受け取り、妻子を置き去りにしてダッチの元へと行ってしまう。それでも、やはり妻と特に息子アイザックへの未練は大いにあり度々戻っては父親として振舞っていた。 その頃にアーサーは一応は父親らしく犬を飼い始める。名前はコッパー(銅)。無法者パス1で銃器を銅に装飾出来るのも実はそんな由来から。イライザの死後、メアリー・リントンと恋仲にはなるが(妻の死後の事で浮気ではない)イライザのような自由を許す女性では無かった事から色々なすれ違いの末に別れる。母と息子アイザックへの想いと執着は特に強く、その意味では自分の父親とは違った良き父親として生きたかった男としての一面も見て取れる。
このようなエピソードからアメリカ本国では『アメリカにおける良き父親像』の1つとして語られていると言う。
こういうオープンワールド系は主人公が中盤から終盤にかけて俺TUEEEEってなる所だけど病気という形でバランスを取らせてて中々エグいデバフ方法だなって思ったわ
アーサー本人は、ほぼ意識すらしていないが歳下の女性にはやたらモテまくる傾向がある。
特に歳が離れているほど女性側が勝手に惚れる事が良くあるようだ。
そもそも最初の妻イライザからして未成年の少女だったようで相手が勝手に惚れた挙句の事だったようだ。これに始まり、次に同世代のメアリー・リントンと恋仲になるのだがダッチが自分の情婦候補として連れて来たメアリーベス・ガスキルにアーサーが惚れられてしまう事となる。これ以降、メアリーべスからもことあるごとに誘いを掛けられる他、パーティーの際に彼女の側からダンスに誘ったり(アーサーが酔っているとふて腐れる)、アーサーに年齢を聞かれた時に『レディに年齢を聞くのは失礼ではなくって?』メアリーの事に触れると『あんな女のどこが良いの?!』と露骨に嫉妬する。
なおアーサー当人はロリコンなどでは決してなく、どちらかと言えば気品と教養ある洗練された大人の女性を好む傾向がある。
なおワイルドな見た目とは違って実際は非常に繊細でデリケートな心の持ち主。女性の好みにも人1倍うるさく商売女を決して好まない潔癖症な一面もある。本人は動物達が心底から大好きで本当は狩りなんてしたくもなく、動物達への罪悪感に苛まれている事をキャンプ内での会話で吐露する。アーサーのキャンプ内の会話によれば『見えない誰かに行動を操られている気がする』と言うホラーじみた話をする。
『動物達を撃ちたくないと思っているのに気が付けば勝手に引き金を撃っている自分が怖いんだ、動物達が可哀想だ…』と……。
怪談のように聞こえるだろうが…『アーサーの行動を操っている見えない誰か』は他でもないプレーヤー自身である事を気が付かせてくれるイベントも存在する。
アーサー当人は記憶から消したい過去なのかジェレマイア・コンプソンと言う奴隷商に奴隷として捕えられた過去を持つ。当時としては破格の値段で幼児に次ぐ18ドルの高級奴隷だった。なおジョンとも、そこで知り合ったようで価格は9ドルでジョンが先に購入された。ダッチの持ち合わせの関係上なのか、その場では2人まとめて購入された訳ではないのが解る。なおジェレマイアはクエストを終えるとどこかに逃亡するため、後の展開を気にする必要が全く無い。殺すも殺さぬも自由である。
怒りんぼうと揶揄される事が多い彼だが まさに中間管理職の憂いと言えるかもしれない
ジョンとの羊強盗でも「俺も昔はもてはやされた。今は働き手だから言うが…」とダッチの愚痴を言っているように、きっと大所帯になるまではアーサーもダッチやホゼアのようにキャンプで指示を出して過ごすVIP待遇だったのだろう
稼ぎ頭が足りなくなり現場に戻された不満もあったり、そんな中一年近くギャングから逃げ出した古い付き合いのジョンへの怒りや不信感 そして最近入ってきたくせに自分と肩を並べるような立場に居座る性根の悪いマイカへの苛立ち
そんなマイカを重用するダッチへの怒り
色々な問題でアーサーは常にイライラしていたのだと思う
そんな最中ダッチからの説得もあって渋々受けたレオポルドの回収業は概ねうまく行き 荒んだ感情をぶつけるには最適な仕事だった
ところがダウンズという一人の男は病を患いながら農場をやる傍らで慈善事業にも勤しみ自身も寄付をして貧困層に近いほど困窮していた末に借金したような善人であった
「ないものは渡せない」と言われ引くに引けないアーサーはダウンズに暴行の末 死期を早める要因を作った事に対しても無関心であった
アウトローにどっぷり浸かるしかないのに逃げたくなるほどのフラストレーションを抱えた前半のアーサー操作時は善人プレイを多少控えておくほうが忠実なリプレイになるかもしれない
盗賊チャレンジも病気が発覚する前に済ませておきたい
最初の頃はなんでこんなおっさんのシャワーシーンに力を入れているんだ?と疑問に思いつつみすぼらしいのが我慢できなくて風呂に入れていたけど、終盤頃になると労りの気持ちが出てくる
髪と髭を整えると10歳は若返る
ゲーム始める前から序盤にかけては「悪逆非道のおっさん」ってイメージだったけど、本当は教養もあって優しい人なんだよな…。「環境が違えば」ってやつ。
最初カリスマぶってる癖に精神的に追い詰められてからは老婆までを手にかけたり、どんどん所業が鬼畜になっていく「善人の皮を被った悪人」のダッチと存在が対比になってて面白いなって思った。
父親から護身用としてキャトルマンリボルバーを貰ったとどこかで読んだがもしかして序盤から持っているリボルバーはこれなのか?だとしたらもうカスタマイズできねえよお
FANDOMとかいうサイトに書かれてる内容によればアーサーが自分が不在中に息子のアイザックに護身用として渡したのがキャトルマンって話だったはず
実際のところ海外のファンが自由に書き込めるサイトを日本語翻訳しただけだし、ゲーム内で描かれてない部分に関しては真偽不明
メインビジュアルで描かれてる拳銃も鉄 もしくは シルバーなのは確認できるけどキャトルマンなのかスコフィールドなのかダブルアクションなのかもよく分からないしどの道【アーサーのリボルバー】はエピローグにも登場しないし死に場所や墓にもないからプレイヤーが好きにしていいんだと思う
そもそもアーサーの場合 常にリボルバーで戦おうとする他の戦闘メンバーと違ってライフル等の両手持ちの武器のほうがイベントも多いし似合ってるよね
彼のファミリーネームが、アーサー王と表裏を成す実姉であり宿敵でもある魔女モルガン(Morgan)と同じである事は、偶然では無いだろう。
プレイヤー次第で清濁併せ呑む乱世の英雄にも、悪逆の限りを尽くす大悪党にもなり得る彼の二面性を表しているのではないだろうか。
そして、アーサーの流動的な立ち位置ゆえに、ダッチが分かり切った滅びに抗い続けるリーダー・扇動者としてのアーサー王の側面を担当し、好色が仇となり、ブリテンの滅びを待たずして永遠に幽閉されてしまった魔術師マーリンの役割を、結婚詐欺師のホゼアが担っているのだろう。
そう考えると、さしずめジョン・マーストンがアーサー王の息子にして最後の戦いの相手モルドレット、名うての騎士としてアーサー王の信任を得ながら欲望に身を任せて裏切りに走り、ブリテン崩壊の先駆けとなったランスロットがマイカと言ったところだろうか。
他の大辞典の人気用語
コメントを投稿してみよう!
- 感想、考察、雑談OK
- 挑発的、暴力的、侮蔑的な内容はNG
- コメント投稿のガイドラインに違反した場合、アクセス規制の対象となります
本作品の主人公。ダッチギャングの一員が故に人殺しや強盗などの悪事もはたらくが、名も知らぬ困った人を助ける義賊でもある。ダッチからの依頼は全て受けるが、果たしてそれでいいのか悩んでいる一面も持ち合わせている。