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序盤こそ遺憾なくカリスマを発揮し、いかにも頼れる我らがリーダー!な感じだが、物語が進むにつれてじわじわと言動がおかしくなっていく。終盤の無茶苦茶っぷりはもはや狂気じみているが、頼りになる仲間たちを次々と失う中でギャングを引っ張ろうともがき苦しんだ末路かと思うと、なんとも苦々しいというか、哀れに感じてしまう…。
I have a plan
ギャングのリーダーとして仲間を引っ張っていこうとする姿は立派かもしれないが正常な判断ができずいらんことばかりしたり周りのせいにしてブチギレる様はまさしくメンヘラのそれである。
そこにつけ込んだマイカがダッチギャング崩壊の引き金を引いてしまった。
どこまでも自身の身の丈に合わない理想を掲げ、また周囲の期待に答えるために無理してカリスマを演じていてもいつかは仮面がヒビ割れ舞台から降ろされてしまうということを教えてくれたキャラクター。
家族まがいの茶番劇で各地を転々とし頂点に登りつめようとするも、その度に現実を思い知らされ最終的に時代の波にすら取り残されてしまった敗北者といえるでしょう。
父親はオランダからの移民で南北戦争で北軍に所属して戦死したらしい
『俺の親父の復讐と思えばいい』
『向こうは全力だ。俺たちはヤツらにとって恐怖の象徴だ』
南部の町ブラックウォーター出身。彼の母親の墓もここにあると言う事を本人から聞ける。今は亡き気高くも誇り高い父親を演劇教本片手に練習している。その甲斐と本人の才能もあって完璧な『死んだ父親』を再現してみせる事に成功した。演技の間だけは完璧なカリスマとして振舞えるのだ。しかし所詮は死人を演じているに過ぎず、死んだ父親の理想とダッチ当人の実像から時が経つにつれ無理が生じて行く事になる。
元々の当人の性格は教養はあれど、若干気弱な男という風な性格だったらしい。
ジョンの「元々そういう人間だったのかもしれない」という発言により結論ありきで見られがちだが本来はアーサーがキーランに反論しているように「悪い奴らから金を奪う」という義賊が主義だった
そしてその奪った金で不幸な人達を引き入れ世話をする
その為彼らは皆ダッチに救われ忠誠を誓うギャング団であったとされる
ところが作中でもダッチが吐露しているように、所帯が増えていくにつれてどんどんと必要になる金も増えていき 犯罪の規模も膨れ上がると尚更ダッチの采配には重責が伴うようになった
それでも彼は皆から期待され羨望され信頼される事の歓びを糧に進み続けたと見られる
そんな彼の懐に忍び込んだマイカはこう囁いたのかもしれない
「こんな大掛かりな仕事をするのが奴らの為なのか?」
「あんたは奴らが死ぬまで面倒を見続けるのか?そんな事して何になる?」
「この仕事は稼げる。そしてその報酬はあんたが貰うべきだ。一緒に南の島で暮らそう」
「その為にも奴らには金を集めさせるんだ。ここまで面倒を見てきたあんたへの当然の恩返しだろ?」
ホゼアもアーサーからも言われた事のない初めての甘い一言だった
それにほだされた事で彼の中で"自分の為"という選択肢が生まれた
そして大規模な仕事が尽く失敗する事に対してホゼアやアーサー達がダッチを責めるようになってからは(ああ、こいつらは俺が今まで努力し続けてきた事を認めず恩義も感じてないんだな。たまたまミスが重なれば一瞬で掌返しをするような信頼しかされていなかったのか)
と どんどん悪い方に解釈するようになり利己的な考え方が強まっていった
そして揺れ動きながらもとうとうジョンやアーサーすらピンチを見殺しにして立ち去るという暴挙に出る
こういう解釈もあるかもしれない
元々誰かを利用するつもりもなく セイディに毛布を掛けたようなダッチがそこには存在していたかもしれない
アーサーやホゼアがもっとやれる事はなかったのか?
際限なく受け入れ続けた非戦闘員たちをどこかで歯止めをかけるべきではなかったのか?
そういう観点も提示してみたいと思う
ダッチが話を持ってきてホゼアが裏を取って詳細な計画を詰めてアーサーが現場を率いて実行。結成当初からこの流れでやってきたのだが
ホゼアの死後裏も取れず計画を詰める事が出来ずどんどん雑になり失敗を重ね(電車から落ちて頭を打った時に打ち所が悪かった可能性もあるが)ストレスでおかしくなっていく
鉄道の発達による情報伝達の発展に伴い放浪型ギャングが時代遅れになり都市型ギャングやマフィアが台頭しつつある事、ダッチの完全ワンマン体制である事等からもしマイカが来なくても遅かれ早かれダッチギャングは同じような末路を辿ったと思われる
みんなダッチに責任押し付けすぎだと思う
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アーサーが所属するギャング団のリーダー。黒髪で口髭と顎髭をたくわえている。ギャング内ではメンバーを老若男女問わず対等に扱う。古参のメンバーであっても、意見の食い違いやミッション時の失敗には厳しく叱責するなど強いリーダーシップを誇示する。