ガリーナ G240

車重が比較的軽い(2255lb≒1023kg)のとFFなのが相まって操縦特性がかなり良い。
それでいてヘラよりも加速が良いので、乗り換え先にはおすすめの車。

序盤でジャッキーのアーチと並んでお世話になる車
素直な操作性で車が暴れずぶつかりにくいから持ってて損はない一台。

サイバーサイコ目撃: 湖上の煙で訪れる桟橋下に、ノーマッドVのRATTLERをマットブラック塗装したような見た目の特殊なガリーナが停まっている(スキャンすると普通のG240の情報が表示される)。事故車という設定なのかボディが損傷しているが、普通に乗ることができる上ここ以外では一台も存在を確認できない(多分)個体なので一度乗ってみると良し。

G240と強そうな車名は恐らく排気量の事。

作中のガリーナを車外視点からよく眺めてみて欲しい。
『意外と大きい車』だと気付く人は気付く。

スキャンしてみたら86馬力という控え目な数字に驚いた方もおられるんではなかろうか。
しかしこの低い馬力は誤表記ではなく、割とリアルな数字だったりする。

Intenet Game Car Data Baseによればガリーナのモチーフはダッジ・オムニ(クライスラー・ホライゾン)とされてるんだけど、この車の主力モデルは1600ccの75馬力か2200ccで84馬力という性能だった。
当時、経営危機に喘いでいたクライスラーが欧州法人と共同開発した世界戦略車でヨーロッパっぽいデザインや輸入品のエンジンを搭載していたといった特徴もガリーナとよく似ている。
https://en.m.wikipedia.org/wiki/Dodge_Omni

80年代の北米大陸では72年に起きたオイルショックの影響で2200cc〜2500ccのエンジンを載せた低燃費の小型車がエコカーのように扱われて大流行した時期がある。
（ちなみに当時のトヨタ・カローラは1500ccで80馬力、VWゴルフは1700ccで74馬力）

しょっぱい馬力の割に2000cc超と日本人から見れば随分大きなエンジンだけど、これもちゃんと理由がある。
GMとフォードにクライスラーのBIG3と呼ばれる北米自動車メーカー3社は50〜60年代に中型車用のV8や直6エンジンから設計や部品を流用して4気筒や6気筒エンジンを作る手法を編み出した。

そうして作った『小型エンジン』を歴代の廉価な乗用車や商用車へ搭載してきたという歴史的な経緯があるんだ。
(元々V8エンジンが既存の直4エンジンを2つ繋げた構造なので、勿論その逆も理論上は可能)

これって既に普及していたごく一般的な大排気量V8エンジンの『ハーフサイズ』なわけで、アメリカ製の小型車は排気量2200cc〜2500ccクラスが当たり前だった時期がある。
(もっと大きなヘラが『一般車』で、更にデカいトラクスやエンペラーは『フルサイズ』と呼ばれる大きな高級車枠)

これらの4気筒エンジンの血を受け継いだ(もちろん当時最新型の)80年代生まれの4気筒エンジンとそれらを搭載した乗用車や商用車達はガリーナの紹介文にもある通り『安価で頑丈』という点が大きなメリットで、当時は爆発的に売れた。

ちなみに街を走る一般のガリーナが妙に大きなバンパーを使っているのも理由がある。
これは80年代当時の「時速5マイルで衝突してもクルマを破損させない」という安全基準に適合させる為に使われていたバンパーで、これもまた80年代のアメリカ車を象徴する特徴なんだ。
(実はジョニーのポルシェも北米仕様車の特徴をキッチリと再現していたりする)

ガリーナだけでなく他の車を眺めても制作陣やデザイナーさんがアメリカ車の特徴を深く理解している事がとてもよくわかるよ。