報酬と引き換えに怪物退治を引き受ける、特別な力を持つ者たちを指す。本作主人公のゲラルトもその一人。
幼いうちに集められ、薬物と魔法による「草の試練」を経た変異体であり、並外れた反応速度と体の強さ、毒や病気への高い耐性、そして老いの遅さを手に入れている。
ただし試練を生き延びられるのは一部で、子をなす力を失うといった代償も伴う。
戦いでは人間相手の鋼の剣と怪物相手の銀の剣を持ち歩き、印と呼ばれる簡易魔法や、相手に合わせて塗り分けるオイル、霊薬、爆薬を組み合わせて立ち回る。
ウィッチャーに対する世間の目は冷たく、表情の乏しさや、必要とあれば人にも刃を向ける稼業ゆえに、化物と同じ扱いで蔑まれたり恐れられたりすることも多い。
ウィッチャーは狼流派、猫流派、グリフィン流派、蛇流派といった複数の流派に分かれていて、それぞれの紋章をかたどったメダリオンを首から下げている。
このメダリオンは魔法や怪物の気配に反応して震える仕組み。
最初に訪れるホワイトオーチャードでは唾を吐かれたり、面罵されたり、ウィッチャーが世間からどういう扱いをされているのかをいやというほど知ることになる。
道行くだけで白髪白髪とはしゃがれて好奇の目で見られたり、衛兵からは喧嘩腰に注意されたりとひどいものである。
中世時代の田舎ともなれば、なるほどそういった人々の無識さや恐れに基づく差別感情もさもありなん…などと、嫌に生々しいゲーム体験がある。
(余談だが、アジア人としてアジア外の郊外都市に行った時の体験にとても似ていると感じた。現地の子供にニヤニヤされながらチャイナチャイナと言われるアレ。だからこそ、対等に接してくれる人には尊さを感じられる点も同じである)
怪物退治のプロだが、決して超人というわけではない。怪物相手でもそうだし、対人戦だと「素人相手でも油断したり、複数相手に囲まれたりするとあっさり死にかねない」くらいの温度感。
ウィッチャーは怪物に対抗するべく人為的に生み出された変異体だが、文明が発達し拡大する一方で怪物が数を減らし、生息域が縮小する中、ウィッチャーに求めらる役割もまた減少傾向にある。
物語冒頭のホワイトオーチャードでニルフガード軍の隊長からグリフィンの退治を依頼されるが、その理由はテメリア人の蜂起に備えているため守備隊の兵力を割きたくないからだと。裏を返せば、十分な兵力を与えられていれば軍の独力で討伐できるということでもある。
ウィッチャーは単騎で怪物を狩るプロフェッショナルであり、かつ特定の国家や主義主張に肩入れしない中立的な立場であるという点で求められるフィールドはまだまだ存在するが、その範囲は往時に比べて随分狭まりつつあるのがゲラルトが活躍する現代の情勢なのだ。
過酷な試練でウィッチャーにすらなれずに死亡する子どもも多い為、現存するウィッチャーの中にはこれ以上ウィッチャーを増やす事自体に消極的な者も居る
少なくともゲーム中では全ての流派が新しくウィッチャーを増やしていないはず。というか、仮に増やそうとしても最早増やせる時代ではないという気もする。
まず、初めの一歩ともいうべき体を変質させる草の試練の突破率がそもそも芳しくないらしい。作中の類似の儀式の様子を見ると無理もないと感じる。
そこから更に、流派ごとに様々な試練がある様子。ゲーム中でも体験する洞窟の試練のように命、もしくは精神、あるいは両方の危機がある試練なのは想像に難くない。
それらの試験を突破できても安泰ではない。ランバート曰く、1年もせずに大半がドラウナーやグールに殺されるという。
その段階を通過して、ようやくベテランと呼ばれる段階に足を踏み入れてからも、強力な化け物に遭遇して、あるいは人に裏切られ、時には政治的なゴタゴタに巻き込まれ、実にあっさりとウィッチャーは死んでいく。
昔は師範だけで20人は居た、とヴェセミルの台詞にあるが、毎年毎年100人近い候補生がいる状況でないとトントンに持っていけないくらいには、ウィッチャーが生き残る確率は低いのではないだろうか。天体の合の直後ならまだしも、社会の需要も緩やかに減っていく中で、維持し続けるのは現実的ではないと判断されている可能性は普通にありそうだ。
劇中で草の試練(の前半まで)を実施する場面があるように、ウィッチャーを新たに生み出すこと自体は現在も一応可能だが、現在のケィア・モルヘンには草の試練における変異の過程を魔術的に制御する流派専門の魔術師がいないため、現実的にはほぼ不可能といっていい。
本来のウィッチャーの流派は戦士であるウィッチャーとそれを生み出す魔術師で構成されているが、ケィア・モルヘンの魔術師は過去の暴徒の襲撃事件で多くのウィッチャーたちと共に死亡してしまった。
劇中の草の試練ではイネファーという当代随一の女魔術師が制御に当たったおかげで成功したが、それでも前半までである。狼流派の魔術師たちが生存していた時代ですら草の試練の生存率は3人に1人。専門の魔術師を欠いた草の試練はただの自殺でしかない。
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